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災害研究- 災害事例の調査・研究情報- 平成16年7月新潟・福島豪雨災害- 中之島・見附の自然堤防

中之島・見附付近の自然堤防


新潟平野では,自然堤防の発達がよく見られ,自然堤防上に古くからの集落が立地している.右は中之島町付近の土地分類図で,川(刈谷田川)に沿って,黄色く塗られている部分が自然堤防である.

中之島町中西地区付近 水田の冠水,自然堤防上の状況 (2004/7/15)の写真のページでも触れているように,この中の中西地区で実測したところ,自然堤防の比高は,水田面+2m程度とみられた.しかし,このわずかな比高により,自然堤防上では(破堤して集中的な浸水に見舞われた地域は別として)浸水を免れたり,軽微に済んだりした例が各所で見られた.

自然堤防上が浸水に対して比較的安全などというのは,きわめて古くからの指摘(そこに古くからの集落が立地している)であるが,今回もまた,そのことが確認されてしまったように思われる.

見附市街地 刈谷田川右岸側市街地の浸水被害状況 (2004/7/15)の写真のページでも触れているように,見附市街地には,低地と微高地が交互に現れるような地形となっている.

右の土地分類図に見るように,見附市街地は,「自然堤防および微高地」のなかに「旧河道」が蛇行する形で存在しており,低地は旧河道であったものと思われる.写真のページに見るように,ここでも,2m程度の高低差が,浸水被害の有無を分けている.

地形分類図の凡例
本図は,国土交通省の国土調査によって作成された1:50000土地分類図「三条」を,千葉大学リモートセンシング技術センターが公開しているものの一部を利用しています.

静岡大学防災総合センター 教授  牛山 素行
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