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2006年10月北東北豪雨災害
2006年10月6日〜7日の北東北などの豪雨災害に関するメモ
静岡大学防災総合センター 教授 牛山 素行
2006/10/09作成開始
本ページの記述は,すべてページ作成時の速報的なものであり,完全なものではありません.間違いがあった場合は修正するなどしていますが,基本的には作成後,大きな変更はしませんのでご承知下さい.別館(ブログ)でも最新状況について触れます.
刊行物
概要
- 2006年10月6日から8日にかけて,発達した低気圧および停滞前線の活動により,東北,北海道地方で豪雨が発生した.アメダス観測所で,24時間降水量の1979年以降最大値(統計期間20年以上)を更新した観測所が14カ所あるなど,比較的大きな長時間降水量が広範囲で観測されたが,陸上での人的被害はほとんど生じていない(同期間中に複数の海難事故が発生しているが,これは除く).
- 全国の被害集計は,消防庁からは発表されていないが,各県庁のホームページでの情報を参考にすると,北海道,岩手県,青森県の被害が多かったようである.
- 岩手県庁による「波浪警報発表に伴う対応状況」(平成18年10月10日16時00分現在 岩手県総務部総合防災室,
PDF-1,
PDF-2,
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)によると,全壊0,半壊2棟,一部破損166棟,床上浸水92棟,床下浸水202棟などとなっている.浸水被害が最も多かったのは久慈市で,同資料では床上57棟,床下100棟となっている.
- 気象庁資料を基に,筆者が集計した統計によると,岩手県において,床上浸水90棟以上が記録されたのは,1995〜2004年の10年間に4回記録されており,最近では2002年7月9〜11日の台風による災害(死者2名,全壊4棟,床上浸水1025棟,床下浸水2572棟など)以来である.災害統計は,資料や集計時期によりかなり変わる可能性があり,厳密な議論はできないが,最近10年間の他の4事例はもっとも少ない事例でも床上浸水119棟であり,浸水家屋数で見ると,最近10年間で何回か記録された規模の事例とは言ってよいと思われる.
- 10月11日付岩手日報-1,-2によると,岩手県葛巻町葛巻在住の62歳男性が,7日16時頃に同地区に出された避難勧告を受けて,同町の「象鼻会館」(指定避難場所かどうか不明)に避難し,同会館で19時頃に目撃された後,行方不明になっていたことが10日に確認され,捜索の結果11日午前に馬淵川で遺体で発見された.今回の豪雨災害による人的被害である可能性が高いと思われる.同人は一人暮らしであったため,行方不明であることの確認が遅れた模様であり,筆者の知る限りあまり類例のないケースと思われる.
- 青森県庁の「10月6日から8日にかけての低気圧に伴う大雨、強風における被害について」(10/13現在のリンク先,すぐにリンク切れとなると予想される)によると,青森県の被害は,一部損壊2棟,床上浸水59棟,床下浸水157棟などとなっている.もっとも被害が多かったのは八戸市で,床上38棟,床下101棟などである.
- 北海道庁の「10月6日〜 低気圧による被害対策状況(10月11日 16時00分現在)」(10/13現在のリンク先,すぐにリンク切れとなると予想される)によると,北海道の被害は,半壊2棟,一部損壊216棟,床上浸水98棟,床下浸水158棟などとなっている.被害が多かったのは道東で,床上浸水は根室市31棟,北見市20棟などとなっている.
オリジナル資料・現地調査資料
関連リンク
※本災害に関しての網羅的なリンクを作成することを目指しているものではなく,筆者の調査研究上の必要に応じて作成しているものです.「なにそれが欠けているので入れて欲しい」とのご要望をいただいても当方の必要がない限り必ずしもご対応しないこともありますのでご了解下さい.
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- 本ページで使用しているAMeDASデータの図表は,日本気象協会との協力により当方で整備しているリアルタイム豪雨表示システムによるものです.
静岡大学防災総合センター 教授 牛山 素行
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