1997年鹿児島県出水市針原川土石流時の豪雨の特徴(概要)

Characteristics of heavy rainfall in case of Debris flow in the Harihara river, Izumi city, Kagoshima prefecture in July 1997

牛山素行

より詳細な情報をご覧になりたい方は、1997年鹿児島県出水市針原川土石流時の豪雨の特徴(砂防学会誌,Vol.50,No.4,pp.25-29,1997)をご覧ください

 1997年7月10日未明、鹿児島県出水市針原川で土石流災害が発生した。土石流発生時前後の豪雨について、気象庁のAMeDASデータ(過去19年間分)のうち、主として日降水量データを元にその特徴を調べた。今回の土石流発生前の豪雨の特徴としては、以下のようなことが挙げられる。

  1. 土石流発生直前の9日24時までの一連降水量は水俣で518mm、出水で401mmであった。土石流発生地点により近い他機関の観測所データでは、同期間に528mmとなっており、針原川流域が当時の風上に向かった地形であることを考慮すると、少なくとも500mm以上の積算降水があったと考えてよさそうですある。
  2. 針原川流域付近の1997年4月以降の降水量は、19年間の平均値に比べて特に多くない。また、今回の降雨イベントの前期降水量についても特筆される規模ではなかった。しかし、土石流発生前日の7月9日の日降水量は、19年間で最大規模であった。一方、日最大1時間降水量は多めではあったが、最大記録にはなっていなかった。
  3. 今回の豪雨は、記録的な強雨がごく短時間に集中的に降った豪雨ではなく、比較的強い雨が十数時間程度に渡って継続するパターンの豪雨であったといえる。
  4. 今回の豪雨の降水分布を見ると、平均的な降水量分布パターンと比較して、水俣付近で特に多くの降水が記録されていた。


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