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災害研究- 災害事例の調査・研究情報- 2000年9月東海豪雨 研究関連情報
※2000年9月頃作成の資料です.

名古屋
1時間降水量 1891-1998
YearMonthDayData[mm]
191971892.0
197192682.0
194591176.0
198792575.0
19099174.1
名古屋
日降水量 1891-1998
YearMonthDayData[mm]
189699240.1
1991919217.5
189698213.2
1971830202.0
1940617183.5
名古屋
月最大24時間降水量 1971-1998
YearMonthDayData[mm]
1971830277.5
1991919231.5
1990917229.0
1983928185.0
197699184.0

名古屋市付近のの既往豪雨記録

 まず,最も長期の記録が整備されている名古屋地方気象台について,1時間降水量,日降水量,24時間降水量(元データは月最大24時間降水量,したがって月内に大きな記録が2度以上あった場合は一方は消えてしまう)の上位5位を見ると表のようになる.

 今回の記録は,12日08時までの時点で,名古屋についてみると,最大1時間降水量93mm,11日の日降水量428mmである.1時間降水量は最大値更新であるが,大きく更新したわけではない.しかし,日降水量は既往最大値の1.8倍であり,統計期間がだいぶ少なくなるが,24時間降水量の記録と見比べても,飛びぬけて大きな記録であったといってよさそうである.

 今回,AMeDASの中での最大値を記録したのは東海であり,1時間降水量最大値114mm,11日の日降水量492mmである.1979-1998年の名古屋周辺のAMeDAS観測所の記録に中には,これら記録に匹敵するものは見当たらない.1951-1978の記録の中には日降水量300mm以上のものがいくつか見られるが,これについてはまだ詳細は整理できていない.

 今回の豪雨事例は,日降水量,1時間降水量でみると,名古屋周辺(ここではおおむね濃尾平野の範囲内)において最近約20年間のなかで飛びぬけて最大規模の豪雨事例であったといっていい.また,過去100年の中では,明らかに最大の事例であるとは現時点では断言できないが,最大規模の事例の一つであるといっていい.




静岡大学防災総合センター 教授  牛山 素行
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