この現場では,自宅にいた80歳の女性が流され,死亡している.現場は伊賀川沿いに民家が建ち並ぶ一角にある.ただし,これらの民家は河道内に立地しており,2階が堤防上の道路面,1階が高水敷にあるような形態をしている. この付近で伊賀川は越流しているわけではないので,「洪水」による被害と言えるかどうかは微妙なところである.防災上は,河道内にある民家の移転が望まれるところで,一部では民家の移転が始まっており,所々に空き地となった場所が見られる.しかし,8月31日付中日新聞によると,「河川敷の民家は、大正時代に伊賀川の河川改修をした人が住んだのが始まりとされる。」とのことなので,歴史的な事情があるようで,防災上の理由とはいえ簡単には進まないものと思われる. ただ,いずれにせよ,豪雨災害に対する脆弱性の高い箇所(素因のある箇所)で被害が生じたことは確かである. |