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2010年9月8日の台風1009号による豪雨災害に関するメモ
2010年9月8日の台風1009号による豪雨災害に関するメモ
静岡大学防災総合センター 教授 牛山 素行
2010/9/9作成開始
- 本ページの記述は,すべてページ作成時の速報的なものであり,完全なものではありません.本web中の記述は,基本的にページ作成時までの情報を元に作成しており,その後の更新はしていません.
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災害概要
2010年9月8日,台風9号及びその北東方に位置する停滞前線の活動により,静岡,神奈川県境付近を中心に豪雨が発生した.この豪雨による被害について,消防庁による集計値は発表されていない.静岡県庁の9月13日現在の資料によると,静岡県内での被害は,死者不明者0人,全壊4棟,半壊3棟,床上浸水57棟,床下浸水106棟などとなっている.
資料
論文・報告書等
降水量の特徴
- 9月8日に,降水量の最大値(1979年以降で統計期間20年以上,以下同じ)を更新したアメダス観測所は,1時間降水量2箇所(千葉,小田原),24時間3箇所(神奈川・丹沢湖,石川・志賀,島根・西郷),48時間および72時間は0箇所だった.
- AMeDASで24時間降水量が最も多かったのは丹沢湖で495mmだった.なお,気象庁以外の観測所では,須走(静岡県駿東郡小山町大字大御神字大洞山,標高780m)で24時間降水量686mm,最大1時間降水量123mm,水ノ木(神奈川県足柄上郡山北町世附字山神山929-6,標高610mm)で同787mm,同147mmなどが記録されている.
- 今回の水ノ木の24時間降水量,1時間降水量は,全国AMeDASの1979年以降の全記録の中で比較しても,いずれも10位以内に入り,かなり大きな記録とは言っていい.ただし,須走,水ノ木などは過去の統計値が十分公開されていないので,これらの記録の位置づけについては何とも言えない.山間部では大きな記録が生じる場合があり,注意が必要である.
- 神奈川,静岡県境付近は,山間部を中心に大きな降水量が記録されやすい地域でもある.AMeDASで挙げると,箱根(850m)の24時間降水量最大値は565mm(2005/8/26)で,御殿場(468m)では同544mm(2007/9/7)の記録がある.丹沢湖でも,48時間降水量の最大値は598mm,72時間は735mmで,今回の記録はこれに全く及ばない.思いもよらない場所で,日本最大級の豪雨が発生したというほどではない.
- 今回の降雨イベントはほぼ12時間以内に生じており,24時間以下の比較的短時間の降水量が大きかったことが特徴的かも知れない.
現地調査写真
特記事項
関連リンク
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静岡大学防災総合センター 教授 牛山 素行
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